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移住レポート/在住人に聞く

移住レポート

ほどよく田舎で子育て環境もいい。 総社という地が気に入っています。

宮島さん家族/2012年(平成24年)移住/3人家族

総社市に転入する以前は東京都心に暮らしていた宮島之晴さん・智美さんご夫妻。 2011年の東日本大震災を機に、放射能のない安全な場所に住みたいという思いが、移住を考えるきっかけになったそうです。 当初は総社市に限定していたわけではなかったといいますが、移住後10年を経て改めてその居心地の良さを実感しているというお二人。 場所探しのいきさつ、総社市での暮らしぶりなどをおうかがいしました。

 

 

 

 

 

明るく快適な一軒家での楽しい暮らし

 

吉備線服部駅のほど近く。 緑に囲まれた住宅地で暮らす宮島さん一家。 建築士である之晴さんが設計を手がけた木造2階建の家は、1階に主寝室と子ども部屋、2階にキッチンとリビングを設けた快適な住まいです。 ご主人の希望で薪ストーブを設置した広いリビングには、3方向に設けた窓から明るい光が降り注ぎ、窓を開け放てば風が部屋を通り抜けて快適です。 ここにご夫妻と長男のYくん、ラブラドールレトリーバーのユキちゃんが暮らしています。

 

 

 

 

 

 

 

気負うことなくじっくり住み心地を検討

 

「本当は他の県でもよかったんです」と、当初はいろいろな地を検討していたお二人。 放射能の影響が少なく、かつ長野県出身の之晴さん、埼玉県出身の智美さんのそれぞれの実家へのアクセスもよく、そして自然豊かな場所で子育てしたいという条件をもとに探すうち、候補に挙がったのは沖縄県と岡山県。 ただ、建設業に携わる之晴さんの就職を考えた場合、沖縄には仕事が少ないだろうということから、岡山県にたどりついたのです。

 

ひとまず1週間滞在し、岡山、倉敷などを見て回ったところ、倉敷は思っていた雰囲気ではなかったこともあり却下。 その後、不動産会社の人から紹介された総社市が、自然が豊かなうえ、土地が開けて落ち着いた印象だった点に「ここ、いいね」と心引かれます。

 

移住の決意は固まっていただけに、場所が決まればあとはスムーズに事が運び、2012年5月に総社市への転入を果たしました。 もし居心地が悪ければ他の場所に移ればいいと割り切り、最初の2年間は賃貸アパート暮らし。 その間、智美さんは生後6か月の子どもを抱えながら自動車免許取得のため自動車学校に通う必要がありましたが、暮らすうちに都会すぎずほどよい人との距離感、子育てしやすい環境、交通渋滞のない道路事情や空港、高速道路、都市部が近い立地、雨が少ないといった利点に好感度が上昇。 2年間の総社市暮らしを経て、その住みやすさに納得したご夫妻は、総社市に定住することを決め、現在の地に一軒家を構えました。

 

 

 

 

 

 

 

知り合いにも恵まれ楽しい総社暮らし

 

移住後、生まれて6か月だったYくんは現在11歳。 地元の小学校に通い、友達もたくさんできて充実しているといいます。「保育園、幼稚園は遠方の施設を選んだので車で往復1時間かけての送迎はたいへんだったけれど、仕事を持っていなくても預けられる保育施設は、ともすればストレスを抱えがちな子育て期間でも自由な時間を持つことができてよかった」と智美さん。

 

知り合いの少ない場所だけに、ご夫妻は積極的に地域の人に溶け込む努力も続けてきました。 近所づきあいはもちろんのこと、智美さんは子育て仲間と一緒にボランティアで学童のおやつ作りを手がけたり、移住者の支援を行う「おかやま昭和暮らしプロジェクト」に家族で参加してイノシシ猟を見学したり山菜採りや椎茸の植菌をしたりなど、ここでしかできないさまざまな体験を楽しんでいます。

 

家族それぞれ新しい趣味も増えました。 之晴さんは畑を借り、週末ファーマーに勤しんでいます。 智美さんはYくんと一緒に始めた釣りにハマり、時には智美さん一人で海釣りに出かけることも。 Yくんは乗馬を習い始めました。 家族で福山や鬼ノ城へ出かけ、山登りも楽しんでいます。

 

そして2年前、念願の犬が家族に加わりました。 生後3か月で迎えたユキちゃんは、今ではYくんと同じくらいの体重にまで成長。 やんちゃなユキちゃんを中心に、家族は慌ただしくも楽しい日々を送っています。 最近は散歩中やドッグランで出会った犬友もでき、ユキちゃんを通じてさらに知り合いが増えているそうです。

 

 

 

 

 

 

 

いいことも悪いこともひっくるめ総社が好き

 

「総社に移住して良かったと思います。 都会で薪ストーブのある暮らしはありえないし、畑も持てない。 釣った魚を捌いて食べるなんて東京では考えられませんでした。 それに大きな犬を飼うこともまず無理」とご夫妻。「水がおいしいし、野菜や魚も新鮮。移住して最初にスーパーでイカの刺身を買ってその味に感激しました」。

 

もちろんいいことばかりではありません。 田舎では避けて通れないご近所づきあい。「私たちは得意な方なのでいいけれど、都会には苦手な人もいます。 それを知らずに入ってきて疲れる人もいると多いでしょう。 町内の溝掃除やゴミ当番もあります。 転入の時にそういった説明があるといいですね」とご夫妻。「都会暮らしとのギャップはありますが、おしゃれな店や施設がなくても慣れてしまえば大丈夫」とも。

 

また、仕事面では移住後、一度転職を余儀なくされた之晴さんは「ハローワークだけに頼るのではなく、信頼できる情報を民間の転職サイトなどを利用してしっかり自分で集めた方がいいですね」とアドバイスします。

 

メリット、デメリットを含め、現在の暮らしに満足しているという宮島さんご夫妻。 移住後の暮らしを楽しいものにできるかどうか、それは何事にも積極的なお二人の姿勢にヒントが隠されている気がしました。

 

 

 

 

 

 

<記事掲載日:2023年6月19日>

 

宮島さん夫婦から、移住を考えられている皆様へ
地方で暮らすには、地元の人との人間関係がとても大切。 溝掃除をはじめ町内活動には積極的に参加し、おつきあいを円滑にする事が重要です。 都会のようにおしゃれな娯楽は少ない反面、山や海が身近にあって子育てにはとてもいい環境だと思います。 岡山県にはシャイな人が多いようですが、一度溶け込めばみなさんとても親切です。