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創業レポート/地元経営者に聞く

創業レポート

人気店の新たなステップ。 多くの人々に癒しの時間を届けたくて

Fondant Miel (フォンダンミエル)/2022年(令和4年)開業

旧堀和平邸(総社市総社)のチャレンジショップで5年間営業し、着実にファンを増やしてきた「Fondant Miel」。2022年に独立し、総社市中央に店を構えて再スタートを切って1年半。 毎日が充実していると話す店主の赤堀裕子さんに、店を構えるまでの経緯やカフェの内容、そのこだわりなどについて伺いました。

 

 

 

古い店舗付き住宅をカフェにリノベする

 

レトロなステンドグラスとノブが印象的なドアを開けると、高い天井に鉄骨の梁や柱を生かした広々とした空間が広がります。 その左には畳敷の和室にソファが据えられ、居心地のよい空気を醸し出しています。 ここは2022年1月にオープンしたカフェ、Fondant Miel。

 

 

 

 

 

 

「以前は、総社市では名前が知られた古民家『旧堀和平邸』のチャレンジショップとして限定営業していましたが、5年ほど経った頃、お客さんも増え、週2日の営業ではさばききれなくなったのをきっかけに、独立を考えるようになりました。そんなとき、旧堀和平邸を管理するNPO法人総社商店街筋の古民家を活用する会の金丸さんが、現在の場所を紹介してくれたのです。」と赤堀さん。

 

その物件は金物屋として長く商売を営んでいた店舗兼住宅で、カフェにふさわしい建物ではなかったそう。そこで業者に依頼して店舗部分をリノベーション。 床や天井、梁や柱の鉄骨はそのまま残し、壁を白色に塗ってもらいました。 レトロなドアはアンティークショップで見つけたものを取り付け、畳が広がる居住スペースは手を加えず活用。キッチンも昔のままの状態で使っているそうです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ゆっくり過ごせる癒しの空間を作りたい

 

メニューはランチとケーキ、ドリンクが中心。 ランチは旧堀和平邸で営業していた時の人気メニューから3種類を厳選し、月の前半はチキン南蛮とふわふわお豆腐ハンバーグ、後半はふわふわお豆腐ハンバーグとバターチキンカレーに絞ってスタッフの誰もが作ることができるよう配慮しています。 「当初はランチに力を入れていこうと思っていたのですが、ケーキを作ってみたところ常連さんからもっと種類を増やしてほしいというリクエストがあって。 作っているうちにおもしろくなり、今ではレパートリーが70種類以上にも増えました。」ランチ、ケーキとも身体にやさしい丁寧な手作りを心がけ、ケーキも砂糖を極力使わないよう微妙に味を加減。 地域の人に通ってもらいやすいよう、値段もリーズナブルに設定しているそうです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

週4日の営業日はこの店を目がけてやってくる大勢のファンでいつもいっぱい。 お客さんは女性客が多く、若い人から年配までさまざまです。 赤堀さんに理想のカフェ像を聞いてみると「皆さんの日常の暮らしの中で、友だちや家族と一緒に訪れ、おいしい料理やケーキを食べてゆっくり過ごしていただく。 そんな癒しの空間であってほしいです。」と話します。

 

 

 

 

 

 

 

カフェを開きたいと思ったわけ

 

もともと玉野市出身で、結婚を機に総社市に暮らすようになった赤堀さん。 「買い物に行ったり店の人と話したりして感じたのは、気さくでやさしい人が多いという印象です。 暮らしに必要な店もちょうどいい場所にあり、駅は近いし学校も多いですね。 同じ年代の人がたくさんいて子育ても生活もしやすそう。 個性豊かなカフェや個人店が多く、どのお店も賑わっている印象だし、暮らしに余裕がある人が多いのかな、と感じました。」

 

当時、会社で事務職として働いていた赤堀さんは、将来的に人にお給料をもらうのではなく、ゆっくりしたペースでいいから自分の好きなことをずっと続け、それで生活を支える基盤にしたいと考えるように。 料理やケーキ作り、器を愛し、そういったものを使って表現するのが好きな赤堀さんが総社市でカフェを営むようになるのは、ごく自然の流れだったようです。

 

 

 

 

 

スタッフと共にいっそうの充実を

 

たった一人で始めたカフェも、今では7人のスタッフを抱えるほどに。 表向きは週4日の営業ですが、定休日にはケーキを作るなど忙しい日々を送っています。 移転当初は店のスケール感になかなか慣れず、時にはお客さんを待たせてしまいクレームに頭を下げることもよくあったそうです。

「でも、移転したことでたくさんのお客さんに来ていただけるようになりました。 ただ、以前一人で営業していた時は、客席のお客さんの声を直接聞いて喜びを感じることができていましたが、今はスタッフ任せなのが残念。 その分、スタッフがそういう楽しみを実感してくれたらいいなと思うようになりました。」

 

新しい店がスタートして1年半。 「スタッフのおかげでやっとうまく回していくことができるようになりました。 今後は、よりきめ細かいサービスができるよう、チーム作りに力を入れていきたいと思っています。 いいスタッフに恵まれて本当にありがたいです。」とこれからの展望を話してくれました。

 

 

 

 

 

<記事掲載日:2023年8月31日>

 

 

Fondant Miel(フォンダンミエル)

〒719-1131 岡山県総社市中央2丁目22-25  TEL:080-2935-0253<OPEN 11:00/CLOSE 17:00> 定休日/月曜・木曜・日曜

Fondant Miel (フォンダンミエル)さんから、創業を考えられている皆様へ
自分自身の経験から言えることですが、最初から高い家賃の物件を借りるのではなく、シェアスペースのような場所を利用して小さく始め、徐々にシフトアップしていくのがいいのでは。 その方が気持ちに余裕ができ、人との関わりの中でいろいろなアイデアも生まれやすいと思います。 場所を探すには、総社市役所やSスタといった地域で起業する人の応援窓口を利用するのもお勧めです。