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Home創業する地元食材で作る地域に根差したイタリアン。 寂しかった駅前に新たな魅力を。

創業レポート/地元経営者に聞く

創業レポート

地元食材で作る地域に根差したイタリアン。 寂しかった駅前に新たな魅力を。

TRATTORIA noi(トラットリア ノイ)/2022年(令和4年)開業

福岡市出身で、親の転勤のため中学生の時から岡山市に暮らすようになったという藤原洋平さん。小中高と野球ひと筋の少年時代を送ってきた藤原さんが今やイタリア料理店のオーナーシェフに。その経緯やJR総社駅前にオープンしたお店のこと、料理に対するこだわりなどについて伺いました。

 

 

 

野球少年がイタリア料理の道へ

 

「小中高と野球を続け、野球以外のことは考えていませんでした。 ただ、料理好きな母はいつもきちんとした食事を作ってくれましたし、私自身食べることは好きでした。 ジャンキーなものはよしとしない家庭に育ったせいか、料理を意識する前から食事とはそういうものだという認識を潜在的に持っていた気がします。」と藤原さん。 そんな野球少年が食の道を選んだのは、高校卒業後、ホテルのフレンチレストランにアルバイトに行き始めたのがきっかけでした。

 

 

 

 

アルバイトを続けるうちにフランス料理はどうもしっくりこないという思いが生じ、正直にシェフに話したところ、イタリアンレストランを紹介され、仕事が休みのたびに手伝いがてら勉強に行くように。 イタリア料理に魅かれた藤原さんは思いきってホテルを辞め、そのイタリア料理店に就職します。

 

藤原さんが魅了されたイタリア料理とは、食べておいしい、 シンプルでわかりやすい料理。 フランス料理のような華やかさはないけれど、ほっとする、それでいてパンチのきいた味わい。 自身、調理していて肌に合う感覚を抱いてからは迷うことなく8年間、いくつかの店を転々としながらもイタリア料理の勉強を続けました。

 

 

 

 

 

ある店との出会いに進むべき道を見つける

 

そろそろ独立をと思い始めた頃、山形県の有名イタリアンレストラン「アル・ケッチャーノ」を知ります。 「地元食材にこだわり、生産者との関わりを大切にしながら店を運営するオーナーシェフの話に感銘を受け、その姿勢に共感しました。 『地方でその土地に根差したレストラン』というあり方にヒントを得た時、ふと総社市の存在が浮かんできました。 田舎だけどほどほど人口があるし、野菜やフルーツといった農産物にも恵まれた環境にあり、新鮮な野菜を買える店も多い。 イタリアンは野菜をたくさん使うのでぴったりだと思いました。」と藤原さん。

 

 

 

 

 

総社市での店づくりを実現

 

そこでさっそく場所探しをスタート。 総社市内だけでなく他の市町村からも食べに来てほしいという思いから、JR駅前であることを必須な条件とし、空き家物件を手当たり次第に探しましたが、思う物件に出会えず。 そこで総社市の魅力発信室(現在:人口増推進室)を訪ねたところ、職員から現在の物件を紹介されます。 築40年以上の鉄骨構造で建築された物件でした。 物件は以前魚屋だったことに食への縁も感じ、一目で気に入ったそうです。

 

リフォームは紹介された地元の改装業者に依頼しました。 いかせるところは極力いかし、ヨーロッパにあるような「カッコよい」デザインをコンセプトに仕上がった店は、エントランスのブルーが目を引くおしゃれな外観。 飲食店の少ないJR総社駅前でひときわ存在感を放っています。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

地元生産者とのつながりを育む

 

店名の「noi」はイタリア語で「私たち」を意味する言葉。 生産者とともに地元に根付く料理でもてなしたいという思いを込めているそうで、昼はコース仕立てのランチ、夜はアラカルトを提供。 メニューは食材に合わせて季節ごとに変わり、地元の野菜をふんだんに取り入れたさまざまな料理が味わえます。 オープンして約1年が過ぎますが、すでに地元の生産者とのつながりも生まれているようで、イタリア野菜の種だけ購入して栽培を依頼するケースもあるそうです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

新たな文化が生まれるきっかけに

 

お客さんは女性が中心ですが、夜は単身赴任者を含め男性客も増加。 来店者は総社市内、市外が半々程度で、駐車場がないにもかかわらず遠方からJRに乗ってわざわざ食べに来てくれる人も増えました。 「駅前が寂しいとよく言われますが、この店が一つの突破口になればと思っています。 駅の近くであれば有料駐車場はあるのでマイカーで来るのもいいし、電車などを利用して訪れ、街を歩いてみるのもいい。 そんな文化が生まれ、定着するといいなと思います。 だから駐車場がない店ということに何の戸惑いもありませんでした。」と藤原さん。

 

意外だったのは、店ができたことに対する街の人の反応だと言います。 「総社のみなさんは『ここに店を開いてくれてありがとう』と言ってくれるんです。 これが岡山市内だったらそんな言葉はなかったでしょう。 街が盛り上がることに対して歓迎してくれる、そんな声が聞かれることはうれしいですね。」

そう言いながら、「いつかは駅前にカフェを作りたいです。 立って飲んで、さっと駅に向かって行くような。 10年くらい先になるでしょうけど。」とはにかむように笑う藤原さん。 JR総社駅前が「TRATTORIA noi」をきっかけにますます賑わいを作り出してくれることを期待したいと思います。

 

 

 

 

 

 

<記事掲載日:2023年9月2日>

 

 

TRATTORIA noi(トラットリア ノイ)

〒719-1136 岡山県総社市駅前一丁目2-18  TEL:080-6379-9152<11:30~15:00/17:30~22:00(L.O.21:00)> 定休日/火曜日

TRATTORIA noi(トラットリア ノイ)から、創業を考えられている皆様へ
総社市には市役所を筆頭にSスタ、金融機関など起業を希望する人に対して支援をしてくれる機関がたくさんありますので、そこを頼れば必ず力になってもらえると思います。 私の場合は物件だけでなく金融機関の話、総社の価格帯や客層を聞いたりするほか、物事の進め方を教えてもらったり、事業計画書を見直してもらったりと、みなさんに非常に協力してもらいました。 街のスケールが大きくないせいか横のつながりも密で、物事は非常に進めやすかったです。