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Home住む大手電機メーカーの研究職から桃農家へ。研究者気質の夫婦二人が総社市で白桃づくり。“程よい田舎、程よいまち”なところも気に入ってます。

移住レポート/在住人に聞く

移住レポート

大手電機メーカーの研究職から桃農家へ。研究者気質の夫婦二人が総社市で白桃づくり。“程よい田舎、程よいまち”なところも気に入ってます。

中原さん夫婦/2016年(平成28年)移住/桃農家

2016年に茨城県から総社市へ移住した中原さんご夫婦。 大手総合電機メーカー(研究職)で働いていた二人は、東日本大震災などをきっかけに農業に興味を持ち産地見学ツアーに参加。 その時に食べた総社市の白桃のおいしさと農家の仕事に感動し、桃農家として取り組むことを選びこのまちに移り住みました。

 

中原さんは岡山県南の倉敷市連島出身、奥さんは北海道出身。 総社市は、営農に好適で都市部へのアクセスも良く、岡山空港(岡山桃太郎空港)から首都圏や北海道への定期便(新千歳空港まで約2時間)があることも選んだ理由の一つでした。 移住してから約3年の研修期間を経て、2019年に念願の就農・桃栽培を開始。

 

新築母屋に住みながら、桃づくりや大好きなお酒、趣味、そしてこのまちの生活を楽しむお二人に、移住や桃栽培、総社市での暮らしなどについてお聞きします。

 

 

 

総社市内で就農者に“人気の高い白桃づくり”。大手電機メーカーで働いていた研究者気質のご夫婦が一番心を惹かれたのは“おいしさと技術の高さ”。

 

 

 

総社市内では、お米や大麦、野菜、果物などさまざまな農産物が生産されていますが、その中でも白桃づくりは20代・30代の若い就農者の間で人気が高いようです。 初期投資をおさえられること(ハウスなどの大掛かりな設備を必要としない露地栽培)も人気の理由に挙げられますが、中原さんご夫婦が一番に惹かれたのは“おいしさ”と“農家の仕事(技術の高さ)”でした。

 

くだもの王国と呼ばれる岡山県の産地見学ツアーで食べた、これまで食べたことがないほどおいしかった“総社もも生産組合が作る最高級の白桃”に出会います。 仕事場の見学では、出来栄えを大きく左右するまさに“技術職”としての農家の仕事に完全に魅せられたそうです。

 

「この継承され培われた技術やノウハウを実践し、さらに発展している農業なら、研究者気質の私たちもやりがいを持って取り組めるんじゃないか」中原さんご夫婦は、こうした思いから桃農家になることを決断しました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

桃の木は収穫できるまで約5年、そこから10~20年の間は果実を実らせます。 移り住んでから約3年、中原さんご夫婦は就農研修(体験研修に1か月、自主研修に1年、実務研修に2年)に専念されました。

 

耕作放棄地の約60a(約6,000㎡)を研修圃場として整備した後に植え付けを行い、研修・指導を受けながら圃場管理を学び、さらに実務研修でしっかりとプロの技術を教わりました。 就農後にこの圃場を借り受け、2019年の夏に初出荷!!とはいえ、初年度の出荷量は僅か。いかに生産量を増やしていくか、農家としてやっとスタートラインに立ったところと気を引き締めたそうです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

中原さんご夫婦が作る桃は現在6種類<2021年2月時点>。 家から仕事場(選果場、畑)まで1km以内で、1日の大半は畑で作業をされています。 桃は、果実が育っている8月頃に翌年に実る花芽がつくため、収穫の終わった秋から次の年に向けて桃づくりの一年が始まります。 

 

植え付け、剪定、摘果・摘蕾、袋かけ、防除作業などの工程で栽培し、収穫期は6~8月下旬になります。 冬から春頃は、必要な果実に栄養を集中するため花の蕾を摘んでいきます。 一本一本、それぞれ個性を持つ桃の木の管理を行いながら、中原さん独自の研究に向けたデータ化も進められています。

 

1日の作業が夕方頃に終わり、家に戻ってさっぱり入浴、そして二人が大好きなお酒を飲みながらのおいしい夕食。 コロナ禍以前は、市内のお気に入りのお店や月1~2回程度岡山・倉敷市街地へ出掛けていたそうです。 こういった自分たちのペースで仕事や研究、圃場観察ができ、日々の生活を過ごせることが農業の大きな魅力だと感じているのだとか。

 

収穫期以外にも栽培管理の作業はあるものの、5月の初めや10月は比較的長期で休暇がとれ、他産地での研修や旅行なども計画されるそうです。 160a(16,000㎡)に拡大予定だった圃場は、新型コロナウイルスの影響で計画が遅れていますが、現在の木をうまく残しながら生産目標の達成を目指されています。

 

 

 

就農以外で、このまちに移り住んで良かったことは“ご近所さんたちの優しさ・暮らしやすさ・都市部へのアクセスの良さ”などいろいろ。

 

 

 

果樹農家になるという選択肢は、岡山県にUターンすると決めたころから考えていた中原さん。 2016年に総社市にアパートを借りて移住し、2018年に総社市の紹介で空き家を取得、2019年に母屋を新築しました。 

 

引っ越してきた頃からご近所さんとのお付き合いが始まるのですが、皆さん親切でやさしい方ばかり。 この辺りでは「桃をやってる人」「薪ストーブの家の中原さん」で伝わります。 自治会の活動も、みんなができる範囲で継続的になされているので無理なく協力しあえるのだそうです。

 

 

 

 

中原さんからは、「総社市は、落ち着いて暮らせる田舎過ぎない“程よい田舎”。 発展している市街地に近いので買い物などに困ることはありません。 岡山市や倉敷市にも移動しやすいですしね。 それから妻の実家が北海道で、茨城県などの遠方にも友人が多いので、首都圏や新千歳空港に直行便がある岡山空港(岡山桃太郎空港)を利用しています。 空港までは車で25分くらいで行けるので便利です。」

 

 

 

 

奥さんは、「私は冬がとても寒いまちの出身なので、ここは本当に暖かい場所だと感じます。 それから二人とも食べることやお酒が大好きで、仕事の後にゆっくりとした時間が流れる住環境で楽しむのは本当に幸せです。 オフシーズンは旅行やダムカード収集、読書、自転車(ロードバイク)を楽しんでいます。」と話してくれました。

 

ロードバイクと言えば、吉備路自転車道(備中国総社宮や備中国分寺、作山古墳など、総社市から岡山市までの吉備の歴史スポットを繋ぐ自転車コース)が有名ですが、市内を自転車で走るのもとても気持ちが良く、発見や季節の移り変わりを楽しめるのでおすすめです。

 

 

 

 

桃農家になり、桃づくりに励む日々。 研究熱心な二人の疲れを癒してくれるのは、大好きな食事やお酒、趣味、そして人や環境。 総社市は、一日一日を大切に過ごそうとする人にピッタリのまちかもしれませんね。 

 

 

 

友人の設計で建てた“技術検討などに集中できる家”は、消費エネルギー自給率100%。薪ストーブの薪割りも楽しんでいます。

 

 

 

2019年に建てた母屋は、中原さんの中学時代の友人に設計をお願いしたそうです。 “桃づくりの技術検討などに集中できる家”というコンセプトで設計され、電化+太陽光発電+薪ストーブで自家消費エネルギー自給率100%、ウッドデッキも設置された開放的で落ち着く素敵な平屋建てのお住まいです。 読書好きもあって、書棚を母屋に加えて長屋にも作ったそうです。

 

 

 

 

冬の寒い時期に活躍する薪ストーブは北欧デンマークのHETA社製で、使用する木材は耕作放棄地整備などで出た伐採木。この伐採木を玉切りした後自宅で薪割りし、1年以上乾燥させてから使っているそうです。 薪ストーブは、部屋全体を暖め快適な湿度を維持するすぐれもの、炎を見ているだけでも癒されます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

昔の人にとって薪割りは、お米を炊いたり暖をとったりお風呂を沸かすなどのために必要だった当たり前の光景でしたが、いまの時代とても新鮮に映ります。

 

 

 

 

果樹農家という新たな人生で、桃を育てながらさらに総社ブランドを発展させるため研究に取り組むお二人。 研究熱心なご夫婦が作るおいしい白桃、今年も期待しています!

 

 

<記事掲載日:2021年5月13日>

 

 

中原さん夫婦から、移住を考えられている皆様へ
定住を計画されるなら、多面的な目で複数回の下見をされるとより確実だと思います。今必要な条件、10年後に必要になる条件といったように優先順位をつけ、時間や資金をしっかりと計画されると良いと思います。 農業を営むのであれば、できるだけ圃場近くの一軒家が望ましいです。