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移住レポート/在住人に聞く

移住レポート

総社で暮らし、農業に従事して5年。 厳しくも楽しい、農業はまさに僕の天職。

宮本さん/2018年(平成30年)移住/農家

大阪府出身で、5年前に総社市に移住して農業に勤しむ宮本和浩さん。 それまでは小売業界に身を置き、大手企業に勤務しつつ関西から関東までを転々としていました。 そんな忙しい生活にピリオドを打つきっかけとなったのは、長年持ち続けていた農業への憧れでした。 10年間勤めた会社を辞め、飛び込んだ農業の世界は。 そして新しい暮らしは。 総社市内の畑で作業中の宮本さんを訪ね、話をうかがいました。

 

 

 

 

 

いつか農業の職につきたい!

 

高梁川の西側にあるのどかな田園地帯。 ここに宮本さんの仕事場である畑があります。 総社市街地に暮らす宮本さんは毎日ここへ車で出向き、1haの畑でズッキーニ、カボチャをメインに、サツマイモ、里芋、玉ネギ、ニンニク、トウモロコシといった季節の野菜や米を作っています。「農業は楽しいです!」と笑顔で話す宮本さんは、緑に囲まれた畑の中で生き生きと輝いて見えます。 でも最初からすんなりと現在の状況にたどり着いた訳ではありませんでした。

 

 

 

 

大学卒業後はサラリーマンとして就職したものの、学生時代から自然の中で働く農業に憧れていた宮本さん。 その夢を捨て切れず、5年目のある日、両親に農業に携わる仕事をしたいと話したら猛反対されました。 でも、30歳半ばになってもまだ諦めずにいる私を見て、自分の人生だから好きにしなさいと、やっとOKをくれたんです。

 

 

 

総社市で念願の就農生活をスタート

 

それから就活を始めた宮本さんは、西日本を中心に有機農業を行う農業法人を探したところ、見つかったのは3社。 しかし、2社からはことごとく断られ、土壇場で入社が決まったのが総社市を拠点とした「吉備路オーガニックワーク」でした。

 

吉備路オーガニックワークは有機ニンジンの栽培のほか、ぶどう、野菜などを生産する農業法人。 宮本さんはここで農場長を務めながら2年間有機農法の基礎を学びました。 しかし、多くのことが身につく反面、厳しい労働環境に農業という仕事の大変さも味わったといいます。 同時にいつかは独立をという思いも募り、畑を探し始め、3年前に出会ったのが現在の場所でした。 総社市農林課から地主さんを紹介され、隣接する竹林を管理することを条件に畑を借り受けることになり、2年間勤めた吉備路オーガニックワークを退職。 独立して現在は一人で有機農業に取り組んでいます。

 

 

 

 

 

失敗の果てにやっと軌道に乗る

 

取材に訪れた時はちょうど次の農作物の準備の真っ最中。 育苗用ビニールハウスの中にはズッキーニやトウモロコシの苗がすくすく育っています。 この地で農業を始めて1、2年は天候、気候、畑の条件などに左右され、マニュアル通りにはなかなかいかず、試行錯誤の繰り返し。 一度はニンジンの植え付け時期を逃し、発芽しても育たないという失敗をしたこともありました。 でも、3年目ともなれば畑の様子がわかり、今は何が起きても想定内と思えるほど進歩したそうです。

現在、できた野菜は地元のスーパーや農業公社を通じて販売しています。

 

 

 

 

 

 

 

野菜を元気にする有機農法

 

宮本さんが有機農法にこだわるのには理由があります。 市販の野菜は年々栄養価値が下がっているといわれますが、その栄養価を高めるにはかつて当たり前のように行われていた循環農法、つまり有機農法が欠かせません。 落ち葉や枝などを集めて畑に戻すという自然のサイクルをできるだけ守り、土をよくし、有機肥料を中心に与えていく。 それはすべて宮本さんが吉備路オーガニックワークで学んだことです。 今は隣接する竹林から竹を伐採し、粉砕して寝かし、土に混ぜ込むことも行っているといいます。

 

 

 

 

 

 

それらを実践することにより目に見えてよくなっていく畑もあるそうで、「ニンニクもカボチャもさつまいもも、自分で食べておいしいと思える野菜ができている。」と宮本さん。「一度、育てた野菜の栄養価を調べてみたいんです。 もしいい結果が出なかったら原因を追求し、必要な肥料を加えて土を改良していけばいい。 農業ってキリがないからおもしろいんです。 失敗しても楽しいし、学べるものがあるというこの環境が僕にとってはよくて。 まさに天職だと思います。」

また、「吉備路オーガニックワークの人たちには申し訳なかったのですが、そこで培った多くのことは僕の糧になりました。 あの2年間があったからこそ今の僕がある。 今後も土をよくし、野菜の栄養価を高めて皆さんに喜んでもらえるものを作っていきたい。」とも。

 

 

 

人に恵まれ、ますます楽しく

 

総社市に拠点を定め、仕事と暮らしを楽しむ宮本さん。 当初、住まいを決めるときに吉備路オーガニックワークの農園があった他の町も候補に挙がったものの、スーパーやドラッグストアといった生活に関わる店や施設へのアクセスが圧倒的によかったという理由で総社市を選びました。 休日に県外へ遊びに行く際、関西、山陰、四国どこへでも数時間で行くことができる便利さも魅力。

また、畑を探す際にお世話になった総社市役所の親切な対応も頼りになったとのこと。 畑周辺に住む人々も温かく、若手の宮本さんを褒め、頼り、支えてくれるそうです。

 

今後は、竹を中心に地域で肥料にできるものを製品化し、農業資材として販売するなど地域に貢献できることをしたり、同じように一人で農業をする友人と作業を協力しながら生産したりするなど、チャレンジしたいことはたくさんあるそう。宮本さんの夢や楽しみは尽きないようです。

 

 

 

 

<記事掲載日:2023年6月19日>

 

宮本さんから、移住を考えられている皆様へ
総社市は暮らしやすい場所です。 特に子育て世代へのサポートは手厚いと聞いていますので、ファミリーには向いていると思います。 岡山市、倉敷市で働く人にとってはどちらの市へもアクセスはいいですよ。 もし移住について知りたいことや困ったことがあれば、総社市役所にぜひ相談してみてください。 そこからいろいろ紹介してもらえて効率的ですし、頼りになるはずです。